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白昼夢、或いは全部勘違い

コンテンツの消費

ザネリのことなんか知らないよ、なんでカムパネルラ、君がいなくならなくちゃいけなかったのさ

わたしをわたしにしてくれた、わたしを東京にすいこんだすべての芸術に、
ゼロの身体でも生きてゆける魂をくれた本物の娯楽に、
そして東京以外の優しい退屈に、
全身全霊の手間と、点滅する幻の才能と、馬鹿な愛をこめて。
いつも新鮮な敬意をもって、
わたしはわたしの音楽を。そんで、それがあなただけの音楽に、
あなたすぎるあなたに変態するための融合材料と成るならば
こんな幸福は家族のようではないですか。
愛しています。本当ですよ。

2017年4月1日、「大森靖子の京都旅行」と銘打たれたワンマンライブで、大森さんはメジャー2ndアルバム「TOKYO BLACK HOLE」(以下、TBH)の解説をMCで語った。
メジャー3rdアルバム「kitixxxgaia」(2017年3月15日)、たくさんの人が大森さんについて語った「ユリイカ4月号」(2017年3月27日)が発売されたばかりのこのタイミングで、2016年3月23日発売の前作のコンセプトのうち、「TBHは山手線」にまつわる話が、私の知る限りではおそらく初めて語られた。

私の記憶にあることを、簡潔に。
相当に抽象的な話であり、MCでズザザザザッ!と述べられたことなのでこれが正確な書き起こしとは限らないことを重々承知していただきたい。
あのとき会場にいた人も「そんなこと言っとらんわ!」と思っているかもしれないので、「なんだそれ!」と思ったら大森さんではなく私に伝えて欲しい。(伝える手段は自分で探してくれ。返事するかは知らない。)

TBHとは山手線のことであり、それは輪廻で、尚且つ銀河鉄道

ぐるぐる回る丸いものには、内側に悪い気を閉じ込める意図がある、という説がある。
四国(大森さんは愛媛県出身だ)の八十八ヶ所巡礼でいうと、山脈であり人の住んでいない四国の中心に悪い気を集めている、ということ。
山手線もそれと同じという説があり、TBHとはそれを指している。

同時にTBHの輪はぐるぐる回る輪廻を示している。
回るのは銀河鉄道で、銀河鉄道から、輪廻から落っこちてしまうと、悪い気の集まった内側に入ってしまう。
(この辺りで中島みゆきさんの「夜会」の話があったのだけど、元々のものをよく知らないのでなんの話かわからなかった)

また、ぐるぐる回る輪は、タイムリープを示している。
(「YABATAN伝説」の「タイムリープで登場」はSMAP解散騒動での「木村拓哉SMAP解散させないためにタイムリープしている説」が元ネタだとどこかで言っていた気がする)
タイムリープものの話は、状況をよりよくするか、どんどん悪くなるかのどちらかだけど、元に戻る(前段、銀河鉄道から落っこちたことろから)、現状と同じものを求めるもの、元に戻ることを目指すものがあってもよいのでは。
(最高は今 最悪でも幸せでいようね、を思い出した。)

落っこちたらどうやってもとの輪に戻るのか。
八十八ヶ所巡礼では、逆回りするとせっかく集まった悪い気が拡散する。
なので、TBHでは、反対に回って、拡散する勢いでもとの輪廻に戻ることが出来る。

ここから私がこねくり回す議論の重要な点は、「わからないならわからないでいい」だ。

夜会のことは知らないし、「銀河鉄道の夜」は暫く読んでいないし、あれについては研究され尽くしているが私はそのあたりに明るくないし、なんなら私が好きなのは宮澤賢治ではなくて長野まゆみだし、長野まゆみの「カンパネルラ」だってもう随分昔に読んだので覚えていない。
手始めに「銀河鉄道の夜」でも読もうかと思ったが、「わからないならわからないでいい」に基づき、インプットを追加することなく私の手癖と持ち駒だけでこの話を進めたいと思う。
ユリイカも読まずにこんなものを書いているが、吐き出し切らないとインプットも出来ない。インプットする前の私のアウトプットを1番見たいと思っているのは私に他ならない。

まずは銀河鉄道の話をする。
銀河鉄道」と言われて思い浮かぶものはなんだろうか。
言わずもがな宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」だろうか。私は「よだかの星」と「シグナルとシグナレス」が好きだ。よだかのことを考えるといつだって辛い気持ちになる。
しかしながら前述した通り、私は「銀河鉄道の夜」から宮澤賢治その後すぐ長野まゆみまで気持ちが飛んで行ってしまう。宮澤賢治を読み始めたのも「宮澤賢治を読めば長野まゆみのことがもう少し理解できるのでは」と思ったからだった。

大森さんの言う「銀河鉄道」なら、銀杏BOYZの「銀河鉄道の夜」だろうか。
銀杏BOYZのことはよく知らない、「あいどんわなだい」と「BABY BABY」と、「もしも君が泣くなら」は銀杏?「銀河鉄道の夜」は、大森さんがゲリラカラオケで歌っていたものだけ聴いたことがある。
広島県の夏フェスにバンプオブチキンを観に行ったとき、銀杏BOYZも観た。2007年ごろだ。大森さんはあのころ銀杏BOYZを全通していたと言っていたから、もしかしたら同じ会場にいたのかもしれない。あの日峯田さんはローションで全身ヌルヌルのテラテラだったが、私はおぼこい馬鹿だったので「めっちゃ汗っかきだな」と思った。

銀河鉄道といえば「銀河鉄道999」もある。「kitixxxgaia」でも機械の体を歌った歌があるし。「銀河鉄道999」のことも「機械の体を探しに行くアニメ」という知識しかない。

なぜよく知りもしないものをいくつも並べたのかというと、「銀河鉄道」という言葉からイメージするものが、きっと人によって違うだろうな、と想像したからだ。
メーテル一択だわ」という人もいれば、「銀河鉄道ってなに?北海道のローカル線?」なんて思った人も、中にはいるのかもしれない。
誰が何を思ったのかをひとつひとつ知りたいとは思わないが、発端は同じ「大森さんの口から出た『銀河鉄道』という言葉」なのに、私が思ったことだけが全てでないだろうと想像するのは楽しい。

御託を並べたが、TBH銀河鉄道のことについて。
銀河鉄道から落っこちる」といわれて即座に浮かぶのは川で行方不明になったカムパネルラのことだ。だけれど私のイメージする銀河鉄道は夜空の端から端へ飛んで行ってしまうし、落っこちるのは川だからTBHの輪、言うならば池や沼とはちょっと違うイメージだ。丸なのか、線なのかの違い。
そこはうまく消化できなかった。

TBHが輪廻であることについて。

「TOKYO BLACK HOLE」

  1. TOKYO BLACK HOLE
  2. マジックミラー
  3. 生kill the time 4 you、、❤️
  4. 超新世代カステラスタンダードMAGICマジKISS
  5. 愛してる.com
  6. SHINPIN
  7. さっちゃんのセクシーカレー
  8. 劇的JOY!ビフォーアフター
  9. ■ックミー、■ックミー
  10. ドラマチック私生活
  11. 無修正ロマンティック ~延長戦~
  12. 給食当番制反対
  13. 少女漫画少年漫画

今になって俯瞰すると、「私生活」とあるように、ごく個人的な出来事が綴られているように思う。
愛してる.com、さっちゃんのセクシーカレー、給食当番制反対、知らない誰かの日記を読んでいるようだ。
「kitixxxgaia」では「神」というマクロなテーマもあれば「JI・MO・TO」というミクロなテーマもあり視点が
入り組んでいるから余計にそう思うのかもしれないが、TBHの曲たちは「生活」という感じがする。
ここで大森さんは「輪廻から落っこちる」と言っていたが、「給食当番制反対」や「少女漫画少年漫画」から、生まれ変わりの輪廻転生ではなく、ライフステージの輪から溢れることを想像した。
引きこもってみたり、無職になって社会から断絶してみたり、私は最近元同級生のLINEグループに招待されてそっと非表示にしてみたが、それもそのひとつだと思う。
進学や結婚や出産のような、「みんながみんな重ねる」と思っている人が少なくない行程に乗らないと、それだけで異質だと弾かれるような世界、つまり私の地元。
そこに戻ることを目指しているのではなく、そこから爪弾かれたって生きているものは生きているのだと、そういうことかな、と思った。

「ぐるぐる回って悪い気を閉じ込める」ことについては、「そうかそういうものなのか」と思ったので深く考えることは特にない。
が、「東京というブラックホール」から思い出したのは、「わたしを東京にすいこんだすべての芸術に、」という言葉だ。
このふたつをこのまま重ねると、ぐるぐる回って集まったもの、イメージは円錐形の蟻地獄だが、その中心にある吸引力の根源は「すべての芸術」ということになる。
穏やかではない話だ。
私は東京にも芸術にも吸い込まれたことがないのでわからない。

「わからないものはわからなくてもいい」の話。
「kitixxxgaia」

  1. ドグマ・マグマ feat.fox capture plan
  2. 非国民的ヒーロー feat.の子(神聖かまってちゃん)
  3. IDOL SONG
  4. JI・MO・TOの顔かわいいトモダチ
  5. 勹”ッと<るSUMMER feat.あの(ゆるめるモ!)
  6. 地球最後のふたり feat.DAOKO
  7. ピンクメトセラ
  8. POSITIVE STRESS
  9. 夢幻クライマックス (かもめ教室編)
  10. オリオン座
  11. コミュニケイション・バリア
  12. 君に届くな (kitixxxgaia ver.)
  13. アナログシンコペーション

「集合の図」と言われてピンとくるだろうか。私は「ああ、ベン図ね」と思ったが、そんなものすっかり忘れている人もいれば、まだ習ってない人もいれば、高校数学Aを履修しない人もいるだろう。
大森さんと、大森さんの曲を聴く私やあなたの「わかる!」の重なり。
「kitixxxgaia」は、最初と最後、それからあと「ただそこにある曲」である「オリオン座」を除いて「わかる/わからない」「共感できる/出来ない」「身に覚えがある/ない」の踏み絵のような曲だと先日大森さんは述べていた。多分。
私が踏み絵を踏めたり踏めなかったりしたことはここに綴られている。

  • (わからない)勹”ッと<ることがひとつもない夏への呪い

全部どうでもよくて全部大事だったのに、なかったことにしたのは私だった - 白昼夢、或いは全部勘違い

  • (わかる)有り余るほど抱えた白昼夢のような好意の話

「君に届くな」としか言い表しようのない気持ちのこと - 白昼夢、或いは全部勘違い

  • (わかる)ワンルームの地獄で暮らしていた日々のこと

ワンルームをぶち抜いたあとに待ち合わせはもうないけどまた会おうね - 白昼夢、或いは全部勘違い

  • (痛いほどわかる)踏み絵を踏んだり地元の友達と遊んだりしたこと

踏み絵としての大森靖子とJI・MO・TOの顔かわいいトモダチ - 白昼夢、或いは全部勘違い

アルバムが発売される前から自主的に踏み絵しまくっている自分に少し笑ってしまった。
ベン図がぴったり重なる人もいればそうでない人もいるだろう。
それはそれでいいのだと。
あなたがあなたとして、大森さんの音楽を受け取ること、それはそれだけのことだ。
わからないなら死ねばいい2017 - 白昼夢、或いは全部勘違い

調べ尽くしたいなら調べ尽くせばいいし、私のように書き散らかしたいなら書き散らかせばよくて、ただ言えるのはどれが1番適切かなんてことはないのだろうということだ。

各々、手グセと手駒で、入れたければ充分なインプットを加え、何かしら吐きたければま吐けばいいし、そうでないなら何もしないでいい。
私の手グセはこの辺でおしまいだ。

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