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白昼夢、或いは全部勘違い

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夏が嫌い2017

夏が大嫌いだ。
暑いとか湿気が凄いとか太陽がギラついてるとかレジャーとかそういうことはどうでもいい。
とにかくただひたすらに夏が大嫌いだ。

夏の夜は魘されて目が覚める。
繰り返し繰り返し、「お前は要らない」と言われた日のことを夢に見る。

冬は寒い。
冬が寒いということは夏が暑いということだな、と夏のことを考える。

春になるのが怖い。
春めいてきたらもうすくやってくる夏の陰に怯えている。

夏は大嫌い。

秋は夏に疲弊した抜け殻のようにして過ごす。
気付いたら少しずつ寒くなっていて、ああ、また冬が終わって春が終わったら夏が来るんだろうな、と思う。

夏、夏、夏、私は一年中夏のことを考えている。
うんと高い入道雲、暴力的に光る海、遠くから聞こえるトンビの鳴き声、びっくりするほど涼しい木陰、逃げ場のない砂浜、なんだって好きなのに。

今年はもうすっかり春だというのにあまり夏が恐ろしくない。
コブシの花が咲くこと、長い間気がつかなかった。

少しずつこうやって夏のことを忘れていくんだろう。
けれど私が夏のことをすっかり忘れてしまったって、私が夏を憎い憎いと思ったことはなくならないのだ。

夏が嫌いだ。
明日起きたら秋になっていればいいのに。

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