読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

白昼夢、或いは全部勘違い

コンテンツの消費

17/2/24 青色時代TOURでDAOKOちゃんと大森靖子ちゃん観てきたよ

大森靖子「ドグマ・マグマ」Music Video/YOUTUBE Ver. - YouTube

要約
・DAOKOちゃんとてもよかった
・フェスで見ても何もわからない
・簡単に誰かを神様にしない
・大森さん好き

DAOKOちゃんのツアー「青色時代」に大森靖子ちゃんが出るので行ってきた。
大阪、心斎橋、BIG CAT。
大阪で上から数えた方が広い会場は殆ど満員だった。

DAOKOちゃんのこと。
びっくりした、ぶったまげた、あんなもの初めて観た。
とてもよかった。生で観ることが出来て本当によかった。

DAOKOちゃんを観るのは2回目だったが、失礼ながらそんなに楽しみにしていた訳ではない。
DAOKOちゃんを知ったのはごく普通にm-flo
のアレだ。「ニコ動に動画を投稿しているラッパー」という説明を読んで、「m-floって若い新人にめっちゃアンテナ張ってるんだな」と思った。それだけ。
それ以来なんとなく名前は知っている程度で、昨年のCDJでは「なんか名前知ってるし」という理由で観た。それが1回目。
残念ながらそこまで印象には残っていない。ダンサーを2人くらい連れたステージは思っていたよりスマートで、「へえ、これがdaoko(多分まだ小文字だった)か、」とテキトーな感想を持った。

それが一転、今回はとんでもなく素晴らしいステージに酷く惹きつけられた。
「生で観ないと何もわからない」とは常々思っていたが、わたしは一度生で観たにも関わらず、DAOKOちゃんの良さが初回は感じ取れなかった。
ステージ上の作り込まれた世界観はフェスでは表現できないであろうものが多くあり、2マンなりワンマンなり、本人主催のライブで観ないとわからないことは沢山あるのだと改めて気づいた。
フェスでの良き出会いも勿論あるだろうが、折角なら持てるものを全て見せてくれるステージに多く立ち会いたい。
コーネリアスくらいになるとフェスであのくらいやってるけどさ)

初心者なのでまず当たり前にあのスクリーンと映像に驚いた。
演奏が始まるまでスクリーンがあることにも気づいていなかったので、いったい何が起きているのかさっぱりわからず最初はとても混乱した。
何も知らないまま観に行くと新鮮な驚きを味わうことが出来て楽しい。初心者の特権だ。

投影されている映像を眺めて、明朝体のよく似合う歌詞だな、と思った。
初めて聴く曲ばかりなので単純に歌詞がわかると見やすいというのもあったけれど、「曲+歌詞+映像」の世界観が全て統一されていて、視覚と聴覚の両方からDAOKOちゃんが流し込まれる感覚がとても気持ちよかった。
漫画のコマが流れてくるものが特に可愛かった。

世界に入り込むことが出来ると受け取れるものも増えるのか、初回観た時には気づかなかったが、DAOKOちゃんの声質は新しいというか聴いたことのないもので、尚且つ心地よいものだと気づいた。
あと、tofubeatsって超すげえなと普通のことを思った。

椎名林檎の話をする。

大森靖子ちゃんがDAOKOちゃんに会うため」(多分)に、2人で椎名林檎の話をするラジオに出演した。聞いてはいない。
その件で、DAOKOちゃんは椎名林檎が好きだと公言してやまないということを知った。
開演前には延々と椎名林檎が流れていた。
それこそ大森靖子ちゃんの「魔法が使えないなら死にたい」がリリースされた頃までは「女性シンガーは椎名林檎に否定的でも肯定的でも無関心でも言及すら出来ない」風潮あったように思う。
(それに対する意思表示があのジャケットだ。確かに、「ポスト椎名林檎」というレコメンドの横にあのジャケットがあったら、書いた側のことを私はダサいと思うだろう。)
DAOKOちゃんが、ただ椎名林檎が好きだから椎名林檎が好きだと公言していることが、なんだか、いいなぁ、と思った。
世代が違うから、離れているからといえばそれまでかもしれないが、好きなものを好きだと言えるのはいいことだ。

DAOKOちゃんは「歌舞伎町の女王」をリミックスしてラップを挟んだ曲も披露してくれた。
私は大森靖子ちゃんと同世代だが、椎名林檎は中学生の頃、私の神様だった。
勝訴ストリップ」が発売されたのが中学生1年生の頃。それ以来毎日毎日椎名林檎を聴き、歌詞をノートに書き写し、時にはレタリングしていた。多くないがそれなりの割合でエンカウントするタイプの田舎の中学生だ。

私にとっては椎名林檎の曲は、原点の誤字ではなく、原典のようなもので、カバーやましてやリミックスするという発想にすら、私には至らないものだ。
「世代が離れていると好きだって言えるしカバーもリミックスも出来るのか」と思ったあと、気づいたことがある。
ニコニコ動画が発足したのが2000年代後半、私は大学生で、DAOKOちゃんは小学生だ。「動画サイトに一般の人が動画を投稿する」ことが簡単に実現され始めたが、その中で「マッシュアップ」というものを知った。
(面白いものはtwitterで拡散、ではなくmixi日記に埋め込まれていた。当時は最先端だったが今となってはアナログ臭のする口コミだ。)
そこで、椎名林檎の「浴室」とgroup_inouの「STATUS」をマッシュアップした動画を観た。めちゃくちゃにカッコよかったことを覚えている。少し探したけれど残念ながら見つからなかった。
「原典」をカバーすることもリミックスすることも想像もつかない、と思っていたが、あの動画のことを私は「ニコ動だし、ありでしょ」と認識いていたんだな、と初めて気づいた。
メティアのあり方が表現するものや受け入れることのできるものごとの幅を広げてくれるのは面白いしありがたいな、と思った。
そしてもしそれによりDAOKOちゃんが、「原典を弄るなんてありえない」という私が感じていた風潮に触れることなく今のDAOKOちゃんになってくれたのだとしたら、どこに感謝したらいいのかわからないがありがたいことだと思った。

ルールを目的にしない創造的な日本へ――シンガーソングライター 大森靖子 - 週刊アスキー

そして私は大森靖子ちゃん贔屓なので、これは大森靖子ちゃんが次の世代のために戦ってくれたことも一因になっていると信じてやまない

時間を戻して、大森靖子ちゃんのこと。
大阪での弾き語りのライブは随分久しぶりだった。
BIG CATはおそらく3回目で、弾き語りは初めてのはずだ。2014年 ピントカ、2016年 新⚫️z、だと思う。
大きな会場で大森さんを観ることができるようになって久しいが、弾き語りをこんなに大きな会場で観るのは、2015年の名古屋クアトロ以来だ。BIG CATは、私が大森さんの弾き語りを観た中では今のところ、一番大きな会場となった。
運良く、それなりに狭い会場で大森さんを観る機会には恵まれたほうだと思う。
梅田ハードレイン、松屋町地下一階、あの頃から、私は会場全体が身じろぎしない空気が大好きだった。
そして会場が大きくなるにつれその静けさは物理的な範囲を広げ、なのに規模の拡大に反して静けさの密度を益々高めているように思う。
アンダーグラウンドというよりはカタコンベ、密やかに行われる集会のような緊迫感は、私にとっては心地よいものだ。
会場には知人もいれば友人もいれば配偶者もいたが、私は私だけの場所でただ1人でぼんやり立って開演までをやり過ごし、ただ私と大森さんしかいない世界を、そしてその人と大森さんしかいない世界の人が隣に立っていて、大森さんの演奏を聴いた。

PINK
TOKYO BLACK HOLE
over the party
絶対彼女
エンドレスダンス
I&YOU&I&YOU&I
オリオン座
SHINPIN
呪いは水色
キラキラ

大森さんはハイペースなのでもう結構な数のアルバムが出ているが、割と満遍なく。

ものすごく当たり前のことだが、私は大森さんの音楽が好きだなあ、と思った。
心の中の世界観を具現化してくれる人が好きだ。
頭の中に流し込まれるような表現が好きだ。
芸術と対峙している時には、憎くて可哀想で可愛い私の自我はそんなに要らない。
大森さんが歌っていて、私がたまたま同じ頃に生きていて声の届く範囲の場所にいることが、もうそれだけでとんでもない奇跡なのだと改めて思った。

大森さんは、未だかつてないほど重みを持って「昨日のこともう覚えていないふり」と歌っていた。
そんな日にも関わらず、大森さんは「私はやっぱり大森さんの音楽が好きだなあ」と、ただひたすら思わせてくれるような演奏をしてくれた。
自分が一番傷ついているだろうに私やあなたのことを心配してくれる優しい人だ。
大森さんが少しでも心穏やかに過ごしてほしいと、私は大森さんのファンだけど、ファンなりに願っている。

アンコールでは大森さんの新しいアルバム(3/15発売!)「kitixxxgaia」から、DAOKOちゃんをゲストに迎えた「地球最後のふたり」を披露してくれた。
その前のMCでは、大森さんがひたすら「DAOKOちゃんとヤりたかった(いろんな意味で)」という話をし、かつて大森さんのファンがDAOKOちゃんに「この人ヤリ目ですよ!」とエアリプしていたのを思い出した。(一体どういうことだ)
あまりMCでは話さない、歌っている時の声と違うからがっかりされるかも、と話すDAOKOちゃんに、「そんなことないよ!すごくいい声だよ!歌っている時の声と話す時の声が聞こえ同じくらい優れている人って中々いないよ!」と言っていた。
DAOKOちゃんが話す声は確かに可愛いし、大森さんは単なるヤリ目ではなくDAOKOちゃんの良いところを多角的に見つめているんだなと、当たり前かもしれない失礼なことを考えた。大森さんが見せてくれないから仕方がない。

「地球最後のふたり」は、私がその日感じたDAOKOちゃんの良いところを、もっと私にとってわかりやすい形で見せてくれる素敵な曲だった。
大森さんはツインテールだった。きゃわいい。

DAOKOちゃんがアンコールで歌っていた「BANG!」という曲がとてもキュートだったのでずっと聴いている。

DAOKO 『BANG!』 Music Video[HD] - YouTube

またDAOKOちゃんも観に行きたいと思う。

広告を非表示にする