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白昼夢、或いは全部勘違い

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17/01/14 「りぼんのふろく展」@京都国際漫画ミュージアム

「りぼんのふろく展」に行ってきた。

りぼんのふろく、ふろくの原画などが展示されていた。

目当ては主に90年代のふろくだった。
りぼんを買っていたのは、「ご近所物語」連載開始から「こどものおもちゃ」連載終了までの1995年2月号から、1998年11月号で、私は小学校1年生から5年生だった。

(以下、敬称略)
中原淳一のモダンなイラストから始まる展示は年代別に並べられ、70年代はいつ見ても可愛い陸奥A子、いつから活躍しているのかと驚きを隠せない一条ゆかりが印象深い。
80年代になると、池野恋吉住渉など、大御所の初期であろう作品が並ぶ。
原画も展示されていた。当たり前だが全てがアナログで書かれている。
画材はなんだろう?コピックですらなさそうだった。
(カラーインク〜コピックの時代の分かれ目、るろうに剣心の3巻・1995/2から4巻・1995/4となんとなく思っている。パラダイムシフトって感じ。)
文字も全てが手書きだった。作者本人が書いていたのだと、初めて意識した。
(「WOW!」とか「HAPPY」とか、「OHISAMA POKAPOKA」とか、そういうの)
ひとつひとつのカットが素晴らしく可愛く、書き文字や星、ハートなども、その作品の世界観に即して、それをより盛り上げるようなデフォルメがされており、強いこだわりを感じた。
ふろくによくある頭身の低いキャラクターのイラストは「ガキ絵」と呼ばれている、という豆知識も得た。
そしてその間にちらほら現われる岡田あーみんのふろくが放つ異常なまでの存在感よ。
「顔をモンタージュして遊ぶ」というビビって泣きそうになるおもちゃ、叶うならばほしい。

さて90年代。
最初は「これ持ってた!」「あれ持ってた!」と思っていたが、途中から「ガラスケース一箱分全部、くまなく持っていた」となり、持っていたこと自体には興奮できなくなった。
それほどふろくのことを覚えていたことに自分でも驚いた。
個人的に特に印象深いものをいくつか。
ご近所物語 パリのパン屋さんの紙ファイル
ベイビィ☆LOVE ぶどうの書類
ケース
・グットモーニングコール シャボン玉のノート
・グットモーニングコール、ミントな僕らのお弁当箱
こどものおもちゃ 花の下敷き
こどものおもちゃ うさぎのレターセット
ミントな僕ら CDケース
下弦の月 猫のレターセット
(これは本当に可愛くて可愛くて、大事に大事に取っておいたはずだ。再販してほしい。)
下弦の月 ビニールバック
(「ご近所物語」の派手さも好きだが、「下弦の月」のふろくは少ない線で描かれた大人っぽいものが多く、とても気に入っていた)

数年前、「私のマーガレット展」に行った。
作品を主眼においたものであったので、年代によるストーリーの変遷や女性像の描かれ方の違いなどの観点で楽しむことができた。
(一番の目当ては楠本まき「KISSxxx」の原画で、ハロウィンの集合写真のカットの原稿を飽きもせず10分くらい眺めることができた。至福であった。)

それに対して、この展示は「ふろく」であったので、とにかく絵やデザインの変遷を味わうことができた。
本編がどんなにシリアスでも泥ついていても、ふろくの「ガキ絵」では本編では着ない服を着てありえない場面にいて、けれど本編そのものの世界観やキャラクターの関係性を持って描かれていた。

年代を俯瞰して思うこといくつか。
飛び抜けてオシャレ!なのはいつだって矢沢あいのふろくだった。細部まで徹底して、線の一本一本がオシャレで、デフォルメはおじいさんだろうがおじさんだろうが、キャラクター性を損なわずけれどとても可愛い。
天使なんかじゃない」も可愛いかったが、特に「ご近所物語」のふろくの時代になってからは「ふろく」と呼ぶのも憚られるほど、ひとつの独立した文房具のようだった。
最近、文房具屋さんで復刻版のレターセットが売ってあったのでつい購入してしまった。誰に手紙を書こうか。

パネルに書いてあったのを読み納得したのが「高須賀由枝の絵はそれまでの何にも似ていない」ということだった。
透明感のある綺麗なカラー、本編の面長で大人っぽい絵のキャラクターたちが、丸っこい顔になり様々な衣装を着ていたトランプをよく覚えている。アメリカンコミックのようなデザインのシャボン玉のノートはとても気に入っていた。
珍しく本編の絵柄で描かれた、童話のお姫様もモチーフにしたレターセットも気に入りで大事に取っていた覚えがある。あれは一体どこに行ってしまったんだ。

時代の流れの中で颯爽と現れるのが種村有菜、ありなっちだ。
「これが!ありなっちの!絵!」と、強い力と存在感を放つありなっちは、エネルギッシュで、ありなっち以降のりぼんが、ありなっちをくっきりと境目にして変わったように私には見えた。
(ただそれは、それ以降のりぼんを私が買わなくなっただけで、他の誰かからしたら「矢沢あい以降」「池野恋以降」なんて思いがあるのかもしれない)

00年代以降は馴染みのないものが多く、また01年の規制緩和によりふろくの方向性が、カバンやコスメなどに大きく変化したのもあり、「最近はこんな感じなんだなぁ」と思うにとどまった。デジタルのカラーイラストに、壁サー最大手って感じだな、なんて感想を持った。
70年代と90年代の変化と同じくらい、90年代と10年代も異なるのだろう。
興味がないわけではないので、最近のりぼんには何が載ってるのかな、買ってみようかな、と思った。

好きなりぼんの漫画家は、小花美穂椎名あゆみ、今も新刊を買っているのは谷川史子だが、今回印象に残ったふろくを反芻すると、「作品が好き」と「ふろくが好き」は異なるのだな、と思った。

作品とは異なる観点で見ることのできる「ふろく展」、とても楽しかった。
今度は「応募者全員サービス展」が開催されないだろうか。きっと楽しいだろうな。

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