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白昼夢、或いは全部勘違い

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16/10/08-16/11/11 TOKYO BLACK HOLE TOURの思い出

掻い摘んで、ライブの話はあまりなく、ただの日記。
音楽以外に思いをはせることは穢れているのに、音楽の感想を言葉にすることも私には不相応だから、これはただの日記という言い訳をしないとブログも碌に書けない。

2016.10.8. NAGASAKI⚫️
前日、装飾やぬいぐるみをカバンに押し込み通常通り出勤。
定時即退勤し、終電で実家に移動。
翌朝は、父親が駅まで車で送ってくれた。
父親が駅まで車で送ってくれる」というのがあまりに久しぶりで、やけに気恥ずかしかった。うちの父親は音楽が好きだし理解がある。
当たり前だと思っていたが、最近はまあ、嬉しいことなのかな、と思っている。

お祭り気分、というかお祭りのその日は大層な土砂降りであった。
「東京の人はゲリラ豪雨だなんて言わすけど、こがん降っとは別に最近じゃなくて、昔っからたまにあることやけん、そがん騒ぐもんでもなかですよね」と、おそらく同年代であろう長崎の人と話した。が、びしょびしょになったことには変わりがない。
雨の日は何かと大変だ。阿蘇山はなぜか久しぶりに噴火していた。

雨宿りのように集まった人が、古い洋館のような建物に入場した。趣深い会場は密やかな集会のようで、高い天井までそわそわとした空気が満ちていたように思う。

ところで諸君、私は「せんだみつおゲーム」が恐ろしく苦手だ。
あまりに下手くそなため、「真面目にやれ!」と怒鳴られたことがある。そんなことあるだろうか。
体育の授業でバレーをやっていたときにバレー部の同級生から「何もしないで、動かないで」と言われた時よりも悲しかった。
「絶対彼女」の最中、突如として「絶対彼女ゲーム」なるものが始まった。
「絶対彼女」のソロパートを歌った人に触られた人がその次のソロパートを歌うというゲームであり、みんな楽しそうにしていた。
集団、口頭で行われるテンポの速いやり取り、ゲームというほど複雑なルールでないにしろ、はっきり言って恐怖でしかなかった。
けれど、そのとき、会場はとても楽しそうに見えた。
「長崎でこんなに楽しいことがあるんだ…」と思ったときにはもう泣いていた。私が泣いたのはこのツアーでそのときだけだ。

帰り道、浮かれきった私は適当に歩いて目的地とはかけ離れた思案橋に着いてしまったが、一杯引っ掛けるでもなくタクシーでホテルに帰った。
行こか戻ろか思案橋

2016.10.9 OITA⚫️
うっかりミスにより別府を通り越して新川という街まで。
新川天然温泉SamaSamaというスーパー銭湯のような温泉に入る。大変に快適であり、住みたいと思った。
別府公演の会場は「別府ブルーバード劇場」という映画館であり、余りにも気になる上映ラインナップのポスターが貼られていた。

「遠く船は沈んだか」という歌いだしから始まる「l love you」、別府の海を見には行かなかったが、別府も海の町なのだろう。長崎も松山もそうだ。
「心情より、そのときの記憶を蘇らせる情景描写」というMCがあったが、車や電車に比べて日常的な乗り物とは言い難い「船」は、多分情緒を多めに含んだ言葉だと思う。
とは言え、日常的に船で通学していた知人もいた。彼女の船と私の船は大違いだろう。
私にとっての船は、海と同じくいつも家から見えているものだった。離島に行く客船、基地に入る軍艦、お正月飾りのされた自衛隊の船、入江に群れる個人所有の漁船、松山には一体どんな船があるのだろう。
東京で「I love you」を聴く機会のほうが、別府よりは格段に多いだろうけれど、海の町で鳴る「I love you」は海の町育ちの私には少し特別で、それを聴けたことがとても嬉しい。

物販紹介で、「金平糖は業者の方に頼んで詰めてもらっている」と話していた。
金平糖を容器に詰める仕事」というもの、想像すればあり得る話なのだが、全く意識したことがなかったので、「そんな仕事あるんだ…」と思った。
私のやっている仕事だって、畑違いの人からすれば「そんな仕事あるんだ…」の世界だろう。
「世界は誰かの仕事でできている」というコピーがあったが、それは本当にその通りで、誰かが金平糖を容器に詰める仕事をしていることで私はとてもかわいい金平糖を手に入れることができた。もっといろんなことに感謝して生きていきたいと思った。

終演後は普段よく遊ぶ人や初めて遊ぶ人を適当に7人集めてその辺の居酒屋に入ろうと横断歩道を渡っていた、ら、店の中から「前前前世」の大合唱が聞こえてきて、「この店無理無理無理」「え?やめる?」「信号点滅してる!」「戻る?渡りきる?戻る?え?戻るの?」と大パニックになった。
何人か泣いていた。
結局入った店はとり天などとても美味しかった。

別府の居酒屋、焼とり凡。楽しいひとときをお過ごし下さい
翌朝は竹瓦温泉や海門寺温泉に入った。
別府は温泉が無数にあり、何を食べても美味しいので大好きだ。

2016.11.10 OSAKA⚫️
退社後、心斎橋を駆け抜けてなんとか会場前に滑り込みセーフ。
なんばのマルイで買ったOL鞄の中には、働くおっさんで僕の世界がキラキラパスケースにぶち込まれた社員証が入っていた。
私にとっての生きてるは、会社で黙々と作業するとか、客先でベラベラ喋るとか、定時後ライブハウスに駆け込むとか、そういうことだ。

大阪は私の生まれ育った街ではないが、職場があり家庭があり、よっぽどのことがない限りしばらくはこの街で暮らしていく予定だ。
地元ではないが、さすがにもう何年も住んでいるのでようやく「ああ、大森さんが私の住んでいる街に来てくれた」という気持ちになった。
中野サンプラザは、「人生に早々訪れない、晴れの舞台としてのエンターテイメント」という感じがした。

15/04/29の日記 - 白昼夢、或いは全部勘違い
けれど今回のOSAKA⚫️は「死に物狂いでたどり着く週末」にある、私の生きている場面と地続きのご褒美、大森さんの言葉でいうと「セーブポイント」だ、と思った。

こういうことを大っぴらに言うのははしたないような気がするが、関西のツアーでは「ああ、こんなに人が来ている…」という気持ちになる。
マホーツアーの京都はお客さんが50人弱だったし、梅田のハードレインや松屋町の地下一階にも見に行った。
そこから3年と少しで、関西では上から数えたほうがよっぽど速い収容人数の会場を埋めていること、その場にいれたことが、とても嬉しかった。
闇の力で突然バカ売れしたでもなく、ただ、大森さんが大森さんのまま、大森さんがどんどんすごくなって、それを好きになる人が増えたんだなと、確かに速くてでも説得力のある速度だと思っている。
あと、これは私の大変なエゴだが、知らない人しかいない空間に一人で立っているのは平気だけれど、不可抗力とはいえなんとなく知っているような知らないような人に囲まれた空間というのは、そんなに居心地のよいものではないだろう。
私も誰かにそんな思いをさせているのだと思う。気をつけてはいるんだけど、ごめんね。
でも大阪の会場にたくさんの人が集まっていて、当然知らない人ばかりで、それが却って一人でぼんやりしていた私には孤独を感じさせなかった。
あなたもあなたも誰なのか私は知らないけど、あなたと大森さんだし私と大森さんだね、と勝手に思っていた。

2016.11.11 MATSUYAMA⚫️
大森さんの出身地、愛媛県松山市
前のツアーで初めて松山に行った。地図の上では東京より近いのに、陸路ではあまりに遠くて驚いた。
とりあえず道後温泉に入った。
道後温泉は支払う値段で入れるお風呂のランクが変わるブルジョアジーな施設だった。
お昼を食べる時間がなかったので、乗り換え駅のデパ地下でいい感じの食べ物を買ってフードコートで食べた。
フードコートでは女子高生が気だるいグルーヴを醸しており、大森さんもここで生産的ではなく二度と得られない時間を過ごしたのだろうか…と想像した。

サロンキティ、前回は上のホールだったが、今回は下のライブハウスだった。
OSAKA⚫️よりも狭くて距離が近く、うんと「ライブハウス」という感じがした。
新⚫️zの「バンドっぽさ」が感じられて、とても楽しかった。

新⚫️zによせて - 白昼夢、或いは全部勘違い

大森さんは「PAさんだってバンドだって連れてきたからそんなはずないのに、サロンキティの音がする!」と言っていた。
ずっと、前の長崎のときも、「アンダーグラウンドは東京にしかないんだよ」と歌う大森さんが、「夢も憂鬱を東京も」見せにきてくれたんだと思っていた。
でも、今回は「大森さんが、いろんなところで、その場の、その土地の人と作る大森さん」を見せてくれたと思った。
(複数箇所に行った私が言うのも申し訳がないが、大分と松山の人にはお邪魔します…という気持ち。長崎の人、長崎は許して。)

大森さんは、サロンキティの入場列から見える夕日の話をしていた。
私がちょうど駅に着いたくらいに沈んでいったが、ずっと平坦な街が薄暗くて赤くて、なんだかサバンナみたいに見えた。
私の知っている夕日は海に沈むけど、これが大森さんの知っている夕日なんだろうと思うと、それが見れたことがとても嬉しかった。

終演後は大街道という松山の繁華街で行われたカラオケに参加した。
大森さんが私の入れた「ジーザス!ジーザス!」を完璧に歌ってくれたこと、勝手に同年代だなあという思いを一層強めることができて、嬉しかった。
一人一人と写メを撮って握手をして回る大森さんはエンターテイナーだったし、早くディナーショーを開催してほしい。

大森さんがOSAKA⚫️で「新しいスタッフがすごいavex感ある」と言っていたが登壇叶わなかった件の人をカラオケで見かけた。
エグザイルトリビュートって感じでブルガリオムって感じだった。
ブルガリオムがどんな匂いなのかは知らない。

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