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白昼夢、或いは全部勘違い

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大森靖子&THEピンクトカレフが解散した話

大森靖子&THEピンクトカレフは5/12に解散した。
今日はもう8/11だ。私は何を思い出せるだろうか。記憶はたやすく消えていく。

2015/2/6 17:50ごろ、私は会社のトイレ入り口から1番目でTwitterを開き、大森さんのブログのタイトルを見て、17:54にはピンクトカレフが出演する福岡FXのチケットを手に入れた。
こんな時に案外気の回る自分の浅ましさに嫌気がさした。

ピンクトカレフが解散すること、「ああ、そうか、」と思った。そうか、ついに解散するのか、もっと早く解散するかと思っていた。それが最初に思ったことだった。

5/5、大森さんのご懐妊が発表された。
その次のライブがピンクトカレフ解散ライブであった。ただ、心配になった。

当日。会社を午後半休で早退して新幹線、トーキョーブックマークかなんかで予約したビジネスホテルへ。

空いてたからとレディスルームに変えてくれた。備え付けのヘアアイロンで髪の毛を伸ばしまくって何度も行った新宿ロフトへ。
あれ以来新宿ロフトへは足を運んでいない。

整理番号が大変良かったのでザクザク前に進んだら最前で待っている間に限定Tシャツは売り切れてしまった。買おうと思えば買えたことが今も悔しいけれど前で観れたので良しとしなければならない。そんなこともういいじゃないか。いやでも欲しかった。

hayatochiri
背中のジッパー
Over The Party
苺フラッペは溶けていた
新宿
絶対彼女
ミッドナイト清純異性交遊
きゅるきゅる
料理長の音楽は豚肉の焼ける音だった
最終公演
謡曲
en)
少女3号
あたし天使の堪忍袋
パーティードレス
ワンダフルワールドエンド

「ワンダフルワールド」のエンドなのか、
ワンダフルな「ワールドエンド」なのか、
私は初め、ワンダフルな「ワールドエンド」だと思った。
ロンドンにあるヴィヴィアン・ウエストウッドの本店であり、嶽本野ばらのデビュー作にも引用されている「World's End」という言葉が私の中に既にあったからだろう。
(世界の果て、ではなく)世界の終わりは素晴らしいもの、そうであればいいと思った。「世界の終わり」だなんて、なにも地球が爆発するという話ではない。好きな人の機嫌を損ねたり、体重が増えたり、ニキビができたりしたくらいで世界は簡単に終わる。
ピンクトカレフが解散したことで私の世界は一つ終わった。
それは決して、ワンダフルな「ワールドエンド」ではなかった。終わって欲しくなかった。でも終わるものだと思っていた。私の「ワンダフルワールド」は終わってしまった。

SPIRAL CHORDが有耶無耶に活動休止だか解散だかしてしまって以来、私の思う「日本で一番格好いいバンド」は長らく生身のものではなかった。
そこにひょいっと登ってきてくれたのがピンクトカレフだった。
ピンクトカレフのライブがなにより楽しかった。縦横無尽な、無敵のお姫様みたいな大森さん。
ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」が子どものころから好きだった。ああなりたいと思っていた。いつからかそんなことは思わなくなった。ある日、ピンクトカレフの大森さんとあの絵が重なった。一人で歌っている大森さんと同じくらい、ピンクトカレフを率いる大森さんが大好きだった。

大森さんは、ピンクトカレフ新宿ロフトなら完璧なライブをする、と言っていた。
私は薄暗くて狭くて息苦しいライブハウスがいつまでたっても好きだ。30歳が迫ってきて、そういえば最近あまり年上の人と知り合わなくなってきた。
いつまでもライブハウスが好きでいられるだろうか。例えば私に子どもができて、その子が手のかからない歳になるその時まで私はライブハウスをずっと好きでいられるだろうか。
私の大好きなキーボーディストはこの間「みんな大人になるね」と言った。私は何も言わなかった。

ピンクトカレフは大切な思い出なんかではなくて、まだぐじゅぐじゅと湿った生傷のようだ。ピンクトカレフが好きだった。

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