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白昼夢、或いは全部勘違い

コンテンツの消費

15/3/14の日記

予定時刻より1時間遅れて起床。

普段は道中か出先でお化粧をするが、今日は同行者がいるので家で済ませたかったのにこの体たらく。
朝ごはんにおにぎりを作ろうと魚肉ソーセージとタクアン(「はちみつとクローバー」に出てくる大変美味しい混ぜご飯)を買っておいたというのに時間もなく。

新大阪発みずほ自由席1列目。コンセントが各々に割り当てられるので各自iPhoneをいじり漫画を読むうちに広島着。久しぶりの広島は松山よりは随分都会であった。大都会広島なのか。

映画「トムソーヤとハックルベリーフィンは死んだ」で、少女ツバキとチンピラの人(で良いのか)がお好み焼きを食べていたお店に行く。ちょっと高かった。
その後、縮景園という庭園へ。
同行者に「縮景園か、広島城か、原爆ドーム」と言われて縮景園を選択した。私の出身は長崎県なので、恐らくは他県の人よりも原子爆弾について学ぶ機会は多かった。広島に来るたび胃の下のあたりがうっと重くなるので、大変申し訳ないが原爆ドームは避けたかった。一度見に行ったことがあるが、そこにあるだけであんなにも何かを訴えてくる(もしくは私が勝手になにを受け取っている)建物は他に心当たりがない。(そういえば片足鳥居はどうなったんだ。)
そういうわけで意気地のない私は縮景園を選択したが、原子爆弾とはそんなものではなかった。爆心地から数キロ圏内は焦土と化したと立て看板にあったが、縮景園広島城もその圏内に含まれていた。
縮景園へ行けば建築、倒壊、再建の歴史が記された案内板、広島城に行けば被爆した大木、結局最後は原爆ドームへと足を運んだ。

原爆ドームから歩いてヲルガン座へ。
ヲルガン座へは5、6年前に一度行ったことがある。大学生の時、実家に帰る、ライブに行くなどに使用していた青春18切符が余ったので宮島に一人でふらーっと遊びに行った際、「広島 カフェ」で検索したら出てきたのでお昼ご飯を食べに行った。テーブルに置いてあった本、「世界の死刑」かなにかそういうタイトル、様々な死刑の方法を綴った本を食前に読んでしまいとても美味しかったのに食が余り進まなかったことを覚えている。

さて、そのヲルガン座に入る。
大変なプラチナチケットであったが、私は幸運にもご友人の都合が付かなくなったという方にお譲りいただいた。大森さんを初めて見るという彼に、家にあった大森さんの昔のフライヤーやフリーペーパーをありったけかき集めてせめてものお礼とした。大森さんを初めて見ることは当然誰しも一人一回しか叶わない。初体験は初体験なのだ。だが、今回は誰かの初体験を間近に迎えることで疑似体験するかのような気持ちになり、私は普段より緊張していた。

それぞれ、「ホットマンゴー」「ホット青りんご」という凡そ他では体験しないであろう飲み物を飲みながら開演を待った。反対隣では可愛らしい女の子が同じようにそわそわして待っていた。

--アップライトピアノ--
謡曲
KITTY'S BULES
サマーフェア
キラキラ
--ピアノここまで--
あまい
ファンレター
朝+ (新曲)
エンドレスダンス
君と映画
ミッドナイト清純異性交遊
絶対彼女
デートはやめよう
お茶碗
ノスタルジックJ-POP
夏果て
プリクラにて
魔法が使えないなら
音楽を捨てよ
コーヒータイム
新宿
愛してる.com
Over The Party
あれそれ
(アンコール)
PS
PINK

ステージ向かって右にアップライトピアノ、左にオルガンが置いてあった。(オルガンが使われることはなかった)大森さんがアップライトピアノを弾いているところを見るのは初めてだ。サマーフェアがピアノで演奏されるところは初めて見たが、アップライト特有の軽い音とサマーフェアのスピード感がよくあっていた。

あまい、ファンレターの流れに胸が決めつけられるようだった。
「私信全部勘違い」は便利な流行り言葉だが、そもそも「大森さんと私」の世界に「私信」や「レス」や「ヲタ」といった私に馴染みのない言葉はそぐわない。アイドルが好きな大森さんには馴染んだ言葉かもしれない。しかし私には「推す」という言葉すらまだ手に馴染まないし、もうこの言葉を遣うことはできないのだろう。(つくづく、「大森さんと私だけの世界」にいる大森さんは、私が受け取って再構築した虚構の大森さんなのだとこういう時に痛感する)
例えば「勘違い」であったとしても「もしかしてこれって私のことかな」と思った気持ちを私だけが汲み取っておきたい。だから「手紙の最後に書かれた大好き」は、これを読んでいるあなたが書いた「大好き」であって、また私が書いた「大好き」であると、私は勝手に思っている。

途中、「今日は終演後接触がないので、なにか言いたいことがある人ー?」という挙手を求めるコーナーがあったが、会場は全員頭が真っ白!という様で黙りこくってしまった。「こういう時に手を挙げられない人ばっかり集まってるんだよねー!」とけらけら笑う大森さんは、一人一人の頭を覗き込んだ上でこの言葉をかけてくれたのだと思った。

リクエストコーナー。
「都会に住んでいなくてもうしばらく見に行けないからこれだけは聞きたいっていう曲をリクエストがある人ー?」との声に前述した3曲があがる。「リクエストある人ー?」とただ聞くだけでない言葉が優しくて優しくて、それだけで私は大森さんがもっと好きになった。
「リクエスト全部やりまーす」と続けて3曲いただくが、大森さん、「あれそれ」の歌詞が飛ぶ。
私はせっせと歌詞を思い出し伝えるという出しゃばりをしていたが、何度か歌詞を間違えてしまい「結婚式はもうさっきサボったよ」と言われてしまった。
途中、私が歌詞を思い出そうと口をモゴモゴ動かしていたら大森さんは私の顔をじっと見て「今、唇読んでるの」と言った。このブログを読んでいる人には2015/3/14に大森さんの口から伝えられる「唇を読む」の意味がわかる人がいるだろう。大森さんは優しい。
私の後ろにいた女の子は私より明らかに正しく歌詞を覚えていた。私の予想でしかないが、きっと彼女は大森さんの音源を聴いて聴いて聴いて今日に備えてきたのだろう。私は大森さんのライブを東京以外に住んでいる割には見に行っているほうだろうが、それに甘えて大森さんの歌詞や音源に対する気持ちがきっと彼女より不足しているのだと思った。きっと高校生の頃毎日毎日同じMDを繰り返し繰り返し聴いて歌詞をノートに書き写し続けていた頃の私にはあった気持ちなのだろう。大事なことを思い出せた。

アンコール、「PS」。私は「PS」が大好きだ。こんな恋がしたかった。
「私たちは若くて、馬鹿で、きっとすぐ忘れてしまうけど、わたしのふるさとだけは覚えていてね」という言葉を、東京以外の土地で聞けたのでとても嬉しかった。

衣装は「ノスタルジックナナちゃんドレス」という、真っ黒にナナちゃんがたくさんあしらわれたワンピースだった。
立っている時のシルエットがきっと綺麗なのだろう。またぜひ見てみたい。

ヲルガン座を後にして最寄りのファミマでファミチキを食べる。
ファミマといえば「デートってどこに行くの?水族館?偉いねえ、俺、ファミマかマックか楽器屋で試奏。」とバンドマンに言われたことがある。ファミマ?

そうこうしているうちに開場。場内はなにやら美味しそうな匂いがする。食べ物もオーダーできるようだ。
「ホット青りんご」をオーダー。りんご酢のように酸っぱい飲み物であった。

--アップライトピアノ--
the end of summer(ピアノのみ、歌はなし)
青い部屋
KITTY'S BLUES
キラキラ
--ピアノここまで--
ハンドメイドホーム
あたし天使の堪忍袋
展覧会の絵
エンドレスダンス
ファンレター
hayatochiri(途中でドラゲナイ)
ノスタルジックJ-POP
夏果て
ミッドナイト清純異性交遊
絶対彼女
呪いは水色
ワンダフルワールドエンド
君と映画
高円寺
東京の空(前野健太
パーティードレス
プリクラにて
料理長の音楽は豚肉の焼ける音だった
愛してる.com
I love you
新宿
(アンコール)
--アップライトピアノ--
謡曲
--ここで一旦終わり--
--お客さんの粘り--
PINK

大森さんはエスパーかもしれない。
私は開演前、同じく昼の部にも参加していた人と「せっかくヲルガン座だし青い部屋が聞きたいよね」と話していた。
1曲目、「青い部屋」であった。
大森さんが道重さん卒業コンサートについて、「見たい髪型全部やってくれるんですよ!!」と言われていたのを思い出した。

大森さんはいつもお客さん一人一人の目を見ながら歌ってくれると常々思うけれど、今日は私の勘違いでなければ新しいことに気がついた。
私は撮影中の二宮さんにほど近い位置に座っていた。大森さんの目線は、幾度となくカメラに向けられ微笑んでいたように思う。一人一人の頭の中を覗き込むように歌っているだけでなくて、今ここにいなくてもきっといつかこの映像を見る誰かのために覗き込んで歌いかけているのではないかと勝手に思い勝手にたまらない気持ちになった。

怒りのエネルギーについての話。
大森さんのYouTubeの動画コメントに、コメント欄を複数個使って「大森靖子陰謀論」が記されている。
大森さんはこのコメントを投稿した人にに対し、(当然だが録音などしてないので私の記憶によると)「救われてほしい」と述べていた。
この省エネの時代に、こんなにエネルギーを持って悪意のあるコメントを投稿すること、それに対する大森さんの優しさ。
気になってあとでコメントを見たが、私はあからさまな悪意あるコメントよりも「アンチがいる方がせいこちゃんらしい」というコメントのほうがよほどゾッとした。
「大森さんが傷つく可能性」については悪意ある投稿者のほうがよっぽど意識していると思う。もし私だったらこちらのほうがつらい。悪意をぶつけられて当然の存在であるというパブリックイメージなんて、そんなのって、ないよ。

大森さんがどうやって歌っていたかとかを書き記したかったけれど、私が言葉にできることなんて一つもないから日記にした。

ヲルガン座でフォーを食べて夜行バスでよく寝て帰宅。岡山にはいかなかった。
岡山では私の偏愛しているトラックが流れたとのことで、今夜は歯ぎしりをして眠ろうと思う。

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